はじめに
配当収入を総合課税で申告すると、
所得税の還付が見込める場合があります。
ただし、判断はそれだけでは不十分です。
総合課税にすると、
- 住民税(翌年度)
- 後期高齢者医療保険料(翌年度)
- 介護保険料(翌年度)
にも影響が出る可能性があります。
本記事では、75歳モデル(名古屋市・令和7年度)で具体的に整理します。
前提モデル(75歳・名古屋市在住)
- 年金収入:110万円
- 配当:80万円(総合課税)
- 医療費控除等なし
- 令和7年度料率想定
所得の確認
- 年金110万円 → 公的年金等控除で所得0円
- 配当80万円 → 配当所得80万円
総所得金額:80万円
① 所得税(当年)
基礎控除48万円(令和7年度)
80万 − 48万 = 32万円(課税所得)
32万 × 5% = 1.6万円
源泉徴収との差額が還付対象になります。
② 住民税(翌年度)
住民税基礎控除:43万円
80万 − 43万 = 37万円
37万 × 10% = 3.7万円(所得割)
+ 均等割(名古屋市 約5,000円前後)
→ 概算 約4万円前後
③ 後期高齢者医療保険料(名古屋市・令和7年度)
名古屋市(令和7年度想定)
- 所得割率:約10%前後
- 均等割:約5万円台
所得割部分:
80万円 × 約10% = 約8万円
ただし、
- 軽減制度あり
- 所得区分によって段階制
実際には軽減後の金額になります。
④ 介護保険料
介護保険料も前年所得ベースの段階制です。
80万円の所得がある場合、
所得段階が1〜2段階上がる可能性があります。
ここが実務判断のポイント
✔ 年金のみなら非課税圏でも
✔ 配当を総合課税にすると「所得」が発生する
✔ その所得は翌年の住民税・医療保険料に影響する
つまり、
還付額だけで判断しないこと
が重要です。
では、総合課税はやめた方がいい?
必ずしもそうではありません。
実務的には、
- 配当が少額(例:20万程度)なら影響は軽微
- 還付額の方が大きいケースも多い
- 所得区分がどこにあるかで判断
が基本になります。
結論
総合課税は
「還付が出るか」だけでなく
「翌年の負担がどう動くか」
まで見て判断します。
年金+少額配当であれば、
実務上の影響は限定的なことも多いです。
ただし、配当額が増えている場合は、
保険料区分も含めて確認しておきましょう。
👉 医療費控除も含めて判断したい方はこちら
▶ 医療費控除は使える?年金+配当がある場合の判断基準
👉 配当を総合課税で申告する方法はこちら
▶ 親の確定申告|年金+配当を総合課税で申告する方法
参考資料(名古屋市の場合)
※令和7年度の料率・段階区分は、名古屋市公式ページをご確認ください。
他の自治体にお住まいの場合は、
お住まいの市区町村名+「後期高齢者医療 保険料」などで検索すると確認できます。