はじめに
親の確定申告シリーズでは、
年金収入と配当収入を中心に「還付を受ける申告」を整理してきました。
ここで一つ、重要な分岐があります。
それが
株の損失があるかどうか?です。
損失がある場合は、
申告の考え方が変わる可能性があります。
この記事では、
繰越控除の基本と判断ポイントを整理します。
損失繰越とは何か
株式投資で損失が出た場合、
その損失は翌年以降に繰り越すことができます。
これを繰越控除といいます。
ポイントは次の通りです。
- 最大3年間繰り越せる
- 利益と相殺できる
- 申告しないと使えない
損失は、使わなければ消えるものです。
申告しないとどうなるか
例えば、
- 2025年:株の損失 ▲50万円
- 2026年:配当収入 20万円
この場合、
申告していないと損失はなかったことになります。
その結果、配当20万円に対してそのまま課税されます。
一方で、
損失を繰り越していれば、
▲50万円と20万円を相殺し、
課税所得は0円となります。
配当との関係(ここが重要)
損失と配当を相殺できるのは、
申告分離課税を選んだ場合のみです。
- 総合課税:相殺できない
- 申告分離:相殺できる
損失がある場合は、選択が変わる可能性があります。
判断ポイント(シンプル版)
判断は次の通りです。
■ 損失がない場合
総合課税で問題ありません。
■ 損失がある場合
一度立ち止まって検討します。
申告分離課税を選ぶことで、損失を活用できる可能性があります。
繰越損失がある場合は申告分離にするべきか?
よくあるケースです。
前年の繰越損失があり、
年金+配当20万円程度の場合です。
■ 結論
どちらを選んでも、今年の税額は大きくは変わりません。
■ 違いは「将来」
申告分離を選ぶ場合
- 配当と損失を相殺
- 繰越損失が減る
今年で損失を使う形になります。
総合課税を選ぶ場合
- 損失は使わない
- 翌年以降に繰り越す
将来に残す形になります。
■ 実務的な判断基準
繰越1年目・2年目
損失は残すことを優先します。
まだ使える期間があるため、
将来の利益と相殺できる可能性があります。
繰越3年目(最終年)
損失は使います。
この年に使わないと消えてしまうためです。
まとめ
繰越控除は、
- 使えば節税になる
- 使わなければ消える
という制度です。
重要なのは、
税額だけでなく、
いつ使うかを考えることです。