はじめに
親のお金整理で、実務的に一番迷うのがこのパターンです。
- 年金を受給している
- 証券口座で配当もある
- 特定口座で源泉徴収されている
このとき、
申告したほうがいいのか?
しなくていいのか?
総合課税?分離課税?
一気に複雑になります。
今回は、この「年金+配当」の整理方法を
順番に解いていきます。
1.まず確認すべきは「申告義務があるか」
公的年金受給者には、次の制度があります。
■ 公的年金等の確定申告不要制度
- 年金収入400万円以下
- その他の所得20万円以下
この場合、所得税の確定申告は不要とされています。
ここでポイント。
配当が「源泉徴収あり特定口座」で
申告しない場合は、
→ その他の所得に含めません。
つまり、
配当を申告しなければ“20万円ルール”に影響しないのです。
2.では、申告したらどうなるのか?
配当を申告すると、
- 年金(雑所得)
- 配当(分離または総合)
を含めて計算することになります。
ここで分岐します。
【A】申告分離課税を選ぶ場合
- 配当は20.315%固定
- 年金とは分けて計算
- 申告不要制度の判定に影響しにくい
年金受給者の場合、
まずはこの方法で試算するのが安全です。
【B】総合課税を選ぶ場合
- 年金と合算
- 配当控除あり(※REIT除く)
- 所得が増える
総合課税にすると、
- 課税所得が上がる
- 住民税や保険料に影響する可能性
ここを見落とすと、
「所得税は少し戻ったが他で増えた」ということもあります。
3.実務で多い親世代の状況
よくある組み合わせです。
- 年金 150万円
- 配当 10万円
- 医療費控除あり
この場合、
✔ 所得税は戻る可能性あり
✔ 住民税に影響する可能性あり
✔ 国保世帯なら保険料影響あり
単純に「戻るから得」とは言えません。
4.整理の順番(実務的手順)
迷わないために、次の順で考えます。
① まず申告しない場合を確認
② 次に申告分離で試算
③ 次に総合課税で試算
④ 所得税だけでなく住民税も確認
この順番で整理すると、混乱しません。
5.扶養への影響も忘れない
親の所得が増えると、
- 子どもの扶養から外れる
- 配偶者控除に影響する
ケースもあります。
年金+配当は、
家族単位で見る必要があるテーマです。
まとめ
年金+配当がある親の場合、
- 申告しなくてもよいケースがある
- 申告すると有利になることもある
- ただし影響範囲は広い
大切なのは、
年金だけで判断しないこと
配当だけで判断しないこと
全体を見て整理すること。
これが親のお金整理の基本です。
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親のお金を体系的に整理したい方は、設計図ページをご覧ください。
順番に読むことで、全体像がつかめる構造になっています。