管理部門歴20年の視点で解説する 三世代のお金管理

年金+配当がある親の確定申告|一番迷いやすいパターンの整理法

はじめに

親のお金整理で、実務的に一番迷うのがこのパターンです。

  • 年金を受給している
  • 証券口座で配当もある
  • 特定口座で源泉徴収されている

このとき、

申告したほうがいいのか?
しなくていいのか?
総合課税?分離課税?

一気に複雑になります。

今回は、この「年金+配当」の整理方法を
順番に解いていきます。


1.まず確認すべきは「申告義務があるか」

公的年金受給者には、次の制度があります。

■ 公的年金等の確定申告不要制度

  • 年金収入400万円以下
  • その他の所得20万円以下

この場合、所得税の確定申告は不要とされています。

ここでポイント。

配当が「源泉徴収あり特定口座」で
申告しない場合は、

→ その他の所得に含めません。

つまり、

配当を申告しなければ“20万円ルール”に影響しないのです。


2.では、申告したらどうなるのか?

配当を申告すると、

  • 年金(雑所得)
  • 配当(分離または総合)

を含めて計算することになります。

ここで分岐します。


【A】申告分離課税を選ぶ場合

  • 配当は20.315%固定
  • 年金とは分けて計算
  • 申告不要制度の判定に影響しにくい

年金受給者の場合、
まずはこの方法で試算するのが安全です。


【B】総合課税を選ぶ場合

  • 年金と合算
  • 配当控除あり(※REIT除く)
  • 所得が増える

総合課税にすると、

  • 課税所得が上がる
  • 住民税や保険料に影響する可能性

ここを見落とすと、
「所得税は少し戻ったが他で増えた」ということもあります。


3.実務で多い親世代の状況

よくある組み合わせです。

  • 年金 150万円
  • 配当 10万円
  • 医療費控除あり

この場合、

✔ 所得税は戻る可能性あり
✔ 住民税に影響する可能性あり
✔ 国保世帯なら保険料影響あり

単純に「戻るから得」とは言えません。


4.整理の順番(実務的手順)

迷わないために、次の順で考えます。

① まず申告しない場合を確認
② 次に申告分離で試算
③ 次に総合課税で試算
④ 所得税だけでなく住民税も確認

この順番で整理すると、混乱しません。


5.扶養への影響も忘れない

親の所得が増えると、

  • 子どもの扶養から外れる
  • 配偶者控除に影響する

ケースもあります。

年金+配当は、
家族単位で見る必要があるテーマです。


まとめ

年金+配当がある親の場合、

  • 申告しなくてもよいケースがある
  • 申告すると有利になることもある
  • ただし影響範囲は広い

大切なのは、

年金だけで判断しないこと
配当だけで判断しないこと

全体を見て整理すること。

これが親のお金整理の基本です。



▼ 親のお金整理シリーズ設計図はこちら

親のお金を体系的に整理したい方は、設計図ページをご覧ください。
順番に読むことで、全体像がつかめる構造になっています。

▶ 親のお金整理は何から始める?(シリーズ設計図)

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